いりがん(入髪)

昨日はヘアドネーションしてきた事を書きましたが、沖縄では「いりがん」(入髪)というのがあります。

日本語でいうところの(沖縄方言も日本語ですけど)かもじ(髢)でしょうか。

私は子供の頃から長い髪の毛が大好きでロングヘアばかりでした。でも、中学は校則で女子の髪の長さは肩くらいまで。髪型も厳しくて、ポニーテールも禁止でした。男子は丸刈りでしたよ。

だから、中学に入学する時に、のばしていた髪の毛を近所の美容室でバッサリ切りました。50センチくらい切りました。

切った髪の毛は売れると聞いていたんですが、子供の私はどこにもっていけばいいのかも分らなかったので、美容室に差し上げました。髪を切る前に美容師さんが「持ち帰らなければ、もらってもいい?」と聞いてきたので、差し上げることにしました。

もらって何に使うのかきくと、「いりがん」(入髪)を作ると言ってました。

いりがんは、沖縄では主に琉球舞踊を踊る時や、民謡を歌う方が琉装をする時に地毛に添えて使います。

用途によって違うと思いますが、私の友人はいりがんを作るには、70センチは必要と言われ何年もかけて伸ばしていました。バッサリ70センチ切るには、ものすごい長さが必要になるので、いりがんを専門にしている美容師さんは私たちが考えもしない方法でいりがん用の髪の毛を回収していました。頭から一本づつ、まんべんなくチョイスして、根元3センチほど残し、カットするそうです。

だから、友人もパッと見はロングヘアで全体的にスキばさみを入れた様な感じでした。でも、頭に手を当てるとチクチクとしていました。全体がのびてなじむまで、かなり時間かかっていました。

親戚の叔母さんにヘアドネーションの話をすると、叔母さんはもう50年ほど前にアメリカに行った時にヘアドネーションしてきたそうです。長くのびた黒髪をショートにしたくて美容室に行くと、ヘアドネーションの話をされたそうです。そんな前からあったなんて驚きました。叔母さん20代の頃の話です。

今までは捨てていた髪の毛が、どこかで誰かの役に立つと思うと嬉しいです。